Reversi-Love#73~宣戦布告~

 
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帰りは土産物屋以外どこにも寄らず帰ったせいか、渋滞にハマらず午後イチぐらいには黒羽の家についた。

車の音に気がついたのか、黒羽が玄関先まで出てきた。

「旅行は楽しかったか?」

車から降りてきた春奈に黒羽は声をかける。

「はい。次はみんなで行きましょうね。」

黒羽はそうだな、と返す。

「愛ちゃんの具合はどうですか?」

「まだちょっと熱が出てる。迂闊だったよ。あいつ予防接種受けてないみたいなんだ。健太にもうつったんだが、あいつは予防接種受けていたみたいで、軽く済んでる。」

「お見舞いに行ってもいいですか?私、おたふくはもうやってるんで。」

「ありがとう。じゃあ顔を出してやってくれるか?愛が喜ぶ。」

春奈は頷くと、家に入って行った。

ちょうど車をUターンさせてきた祐介が黒羽の元に来た。

「俺、おたふくやった記憶が無いから、ここまでにするよ。」

祐介はそう言うと黒羽に向き直った。

「そうだな、それがいい。」

黒羽は少しいつもと雰囲気の違う祐介を不思議に思いながら、祐介に相対する。

「クロ…」

「ん?」


「前にさ、春奈の事、お前が幸せにしてやれって言ったけど…。俺、前言撤回するよ。」

「・・・」



「春奈は俺が幸せにする。お前にも、他の奴にも渡さない。」

祐介は黒羽の目をまっすぐに見ながら、はっきりと言った。

黒羽もその祐介の真剣な眼差しを真っ向から受け、まっすぐ返している。

「悪ぃ。譲れなくなった。」

「・・・わかった。しかし、選ぶのは葛西だ。」

「あぁ。わかってる。」

しばらく2人は視線を交わしていたが、二人とも堪えきれなくなり笑い出す。

「まさかお前とオンナを取り合う事になるとはな。」

黒羽が笑いながら言う。

祐介も笑いながら答える。

「まったくだ。」


ひとしきり笑うと、祐介は帰っていった。




「お姉ちゃんだぁ。」

部屋に入った春奈を見て、愛が声をあげた。

「愛ちゃんーっ。調子はどう?うわっ。大変そうっ。お顔がパンパン…。」


いった瞬間、愛が顔を曇らす。

「このままパンパンだったらどうしよう…。おねーちゃん。」

春奈は愛の頭を優しく撫でる。

「大丈夫よ。治ったら引っ込んじゃうから。おねーちゃんもね、昔やったんだよー。」

「ホント?治る?」

「ほんとだよー。治るよー。愛ちゃんには透お兄ちゃんもついてるじゃない。おにいちゃんはね、名医なんだよ?」

「めいい?」

「すごいお医者さんって意味だよ。」

愛が目を輝かせながら聞いている。

春奈も自分の事のように得意げになって話す。


その時、ドアをノックする音がした。

春奈が後ろを振り返ると、ドアのところに黒羽が立っていた。

顔を真っ赤にして、手のひらで顔を隠すように、こめかみを親指と中指で押さえていた。

「愛。もう寝ろ。」

それだけ搾り出すと、部屋をあとにした。

愛と春奈は顔を見合わせてぷーっっと噴出す。

「じゃぁ、愛ちゃん。なにかあったら呼んでね。おねーちゃん、もう少しいるから。」

そういって春奈は愛の頭を撫でると部屋を後にした。




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