スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
まぬかんlogo_s.jpg


web拍手 by FC2
ランキングに参加しています。よかったら応援してやってください♪
 (1日1回、愛のクリックをいただけると小躍りして喜びます)
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へにほんブログ村 小説ブログ ライトノベル(小説)へ

Reversi-Love#90~急変~

 
Reversi-Love_090.jpg 
 
翌日出勤した春奈は、病棟内の廊下で、夜勤明けの祐介にバッタリあった。

「なんか久しぶり。」

「ですね。今日はもうお帰りですか?」

祐介がうーんと唸る。

「夕べ急変した患者さんが気になるから、今日は病院に泊まろうかなって思ってる。」

「そうなんですか?お疲れ様です。」

---祐介先生には昨日のシロチョーの事、話しておいた方がいいかな?

そう思って口を開こうとした瞬間、遠くから祐介を呼ぶ看護師の声が聞こえた。

「祐介先生っ。金山さんがっ。心停止ですっ!!」

「すぐ行くっ」

「えっ?金山さん?」

祐介はもう走り始めていて春奈の声は届かなかった。

漠然とした不安が春奈を包む。

春奈がICUを覗くと、沢山のチューブやコードが体の至る所から出ている金山の姿が目に入った。

将棋をうって豪快に笑っていた金山の面影はどこにもなかった。

青ざめる春奈の横を、第一外科の師長である福田が通り過ぎる。

「師長っ。金山さん…」

青ざめる春奈に、福田は落ち着きなさいと言わんばかりに腕を掴んだ。

「昨晩急変されてね。手術を明日に控えていらしたんだけど…。ちょっと難しいわね…。」

「手術をしないと…どうなるんですか?師長っ。金山さんっ。」

「葛西さん?」

春奈がみるみる青ざめていく様を福田は厳しい目で見ていた。

「葛西さん。ちょっとこっちにきなさい。」

ICU内のガラス張りの個室に連れていかれる。

今は患者はいない。

福田はそっと扉を閉めると、少しだけキツイ口調で詰問した。

「葛西さん。看護師であるあなたが、患者さんの前で不安な顔をしてどうするの?」

「師長…。」

「どんな時でも、私達は助かる事を信じるの。私達が信じないで、誰が信じるの?」

春奈はふらっとガラスの壁に向かい、金山の姿を見る。

祐介が汗を流しながら、必死で心臓マッサージを続けている。

「金山さんっ。戻って来いっ。」


祐介のクチはそう動いているように見えた。

春奈はふらつきながら、扉を開け、個室を一歩出る。

「祐介。もういい。手を止めろ。」

同じ第一外科の先輩医師が祐介にストップをかける。

しかし祐介は手を止めない。

「祐介っ。もうやめろっ。静かに送ってさしあげろ。」

先程よりも強い口調で、その医師は祐介に命令する。

祐介は心臓マッサージをするための台から降りると、唇をギュッと噛み締め、形式的にアイサインを確認した後、時計を見た。

「◯月◯日△時△分。死亡を、確認しました。」

ICUの隅から、男性がふらりと金山に歩み寄る。

写真家の西だった。

祐介は西に気づくとその前に立ち、頭を深く下げる。

「力及ばす、申し訳ありません。」

西はポンと祐介の肩に手をかけた。

「そんなことない。ありがと。祐介クン。」

そう言って西は金山の傍に立った。

春奈の背後に、福田が立つ。

「葛西さん。時間年休をとっていいから、気持ちを立て直してきなさい。」

春奈は福田に頭を下げると、ICUを後にした。


まぬかんlogo_s.jpg


web拍手 by FC2
ランキングに参加しています。よかったら応援してやってください♪
 (1日1回、愛のクリックをいただけると小躍りして喜びます)
にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へにほんブログ村 小説ブログ ライトノベル(小説)へ

THEME:オリジナル小説 | GENRE:小説・文学 |

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
メールフォーム
まぬかんへのご連絡はこちらからどうぞ。 ※誹謗中傷はご遠慮ください。 イラストとかいただけるとものすごく嬉しいです♪ (送付先をご連絡しますので、ぜひぜひお願いします)

名前:
メール:
件名:
本文:

いろいろ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。