護る男#03

 
 
何よりも優先すべきは、要警護対象者の身の安全を確保する事だ。

そう思い振り返ると、高階はキョトンとした顔をした後、草むしりの作業にもどる。

そんな高階を見て、間の抜けた質問が口から出た。

「何をしてるんですか?」

「見てわかんないの?草むしりよ。」

なんだ、このオンナ。狙われたことに気がついてないのか?

「とにかく立ってください。ここは危険です。」

「どこだって危険よ。」

手を休めずに話を続ける彼女を見て、俺は世間話でもしている錯覚に襲われた。

「いつもの事よ。気にしてないわ。」

そういうと着弾したところにスコップを入れ、弾を掘り起こす。

「いる?」

スコップの上に土とライフル弾が乗った状態で俺の方に差し出す。

「馬鹿か、あんたは。」

思いがけず、口をついて出てしまった。

「私を馬鹿呼ばわりするなんていい度胸ね?」

高階は立ち上がり正面から俺の顔を睨む。しかしその顔はどこかおもしろがっている風だった。

「どこかで見たことある顔だと思ったら、昨日のSPくんじゃない。私のこと小馬鹿にした顔で脚ばっかり見ていた不真面目くん。」

俺は驚いた。

要警護対象者でSPの顔なんて記憶しているような奴はいない。

要警護対象者にとって、SPとは動く壁なのだ。壁の模様などいちいち覚えている人間はいない。

「おかしいなぁ、SPはうまく"まいた"と思ったのに。なんでここにいるってわかっちゃったの?」

笑いながら話をする高階は昨日とは打って変わって気さくな飲み屋の姉ちゃんのようだった。

「今日は非番なんで。たまたま居合わせただけです。」

こんどは高階が驚く番だった。

「非番なのに盾になってくれちゃうの?命は大切にしなさい?」

「狙われてるのにのこのここんなところにいるアンタに言われたくない。」

高階は吹き出した。

「そっか。そうだよね。あはははは。」

放っておくといつまでも笑っていそうだったので、笑いを遮るように声をかける。

「しょうがないので家までお送りしますよ。」

「あはは。しょうがないのか。そっか。しょうがないついでに、ちょっと手伝ってよ。」

そういうと俺の手に予備のスコップを持たせる。まさか・・・

「さ、撃たれる前にさっさと終わらせちゃいましょう!」

そういうと草むしりを続けた。
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