護る男#04

 
 
馬鹿だ。このオンナ。

ネジが何本か完全に飛んでる。

しぶしぶ草をむしりながら、疑問に思ったことを聞いてみる。

「そもそもなんでこんなことしてるんだ?」

「ん?雑草が生えてるからよ?」

話がまったくかみ合わない。

「そういう意味じゃなくって。政治活動で有権者にアピールするんだったら、そんな変装めいたカッコをする必要はないだろ?いつもみたいにマスコミを集めて派手にパフォーマンスすればいいじゃないか。」

高階は少しだけ驚いた顔をして、俺の顔を見る。

「辛辣ねぇ。SPって普段あんまり喋ったところを見たことないけど、クチを開くとこんなに口が悪いんだ。」

「今日は任務じゃないんで。」

「ふふ。そうね。非番だったわよね。こんなところで草むしりなんて、暇人ねぇ。」

あんたがやらせてるんだろ、と、喉まででかかる。

「別にアピールしたいわけじゃないわ。ここは私の育った街で、小さい頃この公園でよく遊んだの。子供の頃はまったく気がつかなかったけど、この公園がいつも安心して気持ちよく遊べていたのは、ボランティアの人たちがこうやってキレイにしてくれるからなのよね。だから感謝の気持ちを込めて、掃除とかしているだけよ。そんなにいつも来られるわけじゃないんだけど。時間が空いたらちょこちょこと来てるわ。だからさっきみたいに狙われるのよ。よく。」

俺は呆れて言葉も出なかった。

よく狙われるって。

「ひとりの時を狙ってくるから安心してるの。まわりに人がいる時は狙ってこないわ。心得てるのね。ま、単なる脅しだしね。逆に見通しがいいから、まわりに迷惑がかからなくていいわ。」

「・・・」

「事務所に入った新人がね、脅迫文に添えられていた弾を見てびっくりしちゃってね。私も秘書も事務所長も留守だったから警察に連絡しちゃったのよ。大騒ぎになっちゃって申し訳ないとおもってるわ。」

「馬鹿か、アンタは。」

同じセリフが口からでた。

ただし"呆れ度"は、先程の倍以上ある。

「また言ったわね。バツとしてこの後も付き合いなさい。」

「はあ?」

「こんなところで盾になるぐらい、暇なんでしょ?」

そういうと草を集めて所定の場所へ移動させた後、スタスタと公園の外へ歩いていった。

俺の貴重な休みを潰す気か?!付き合う義理はない。

「SPくん、早く来なさいよっ。えすぴーくーんっ」

大きな声にまわりの人間が注目する。

ふざけんな。

SPってのは日陰の存在なんだ。

太陽の下で、明るい声で、連呼するなっ。

すっかりこのオンナのペースにハマってしまった俺は、後をついて行くしかなかった。
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