護る男#06

 
 
「おばーちゃーんっ。遊びに来たわよー。」

玄関を開け元気よく声をかける。

「あらぁ、ゆう子ちゃん、今日は彼氏と一緒かい?」

違うぞ。

「そうなのよー。だから男手があるんだけど、なにか手伝える事はある?」

否定しろよ。

しかし満更でもない俺もいた。

どうかしてる。

「いいのかい?じゃあこのタンスを向こうの部屋に移動させたいのだけど・・・」

「わかったわ。さ、ジョー。やって。」

ほんと、どうかしていた。

俺を連れて来たのは人足か。

渋々言われた通りにする。

作業が終わると老人に手をとって感謝された。

仕事柄、自分の作業に対し礼など言われた事がないから、こういう時はどういう顔をしたら良いのか、正直困る。

そんな俺を興味深そうに覗いている高階が目に入った。

「何見てんだよ。」

「別に?」

そう言って、ふふんと笑う。

「さて、次行くわよっ。」

「まだ行くのか?」

こうやって何軒もの老人宅を回らされた。

「しかし、票集めって大変なんだな。」

道端でガードレールに腰掛けながら缶コーヒー片手に休憩している。

俺は感心しながらそんな話をした。

「・・・。」

高階が呆れたような目をして俺を見ている。

なんだ?俺なんか変なこと言ったか?

「ここは、確かに私の地元だけど、選挙区ではないわよ。党の意向で選挙区を勝手に変えられたから。」

やや不満げに語る高階を見て、思い出した。

対抗政党のキーマンを潰す為に、党によって選挙区が変えられたというニュースを思い出していた。

「じゃあ、今日回っていたのは?」

「ん?純粋なボランティア。"老人に声掛け隊"の隊長なのよ。私。」

俺は少しだけ高階の事を見直した。

「さっ。次は何を手伝ってもらおうかな?」

前言撤回。こいつはやっぱり政治家だ。立っているものは親だって使う。きっと立っているだけのカカシだって使いこなしてしまうに違いない。

しかし、意外にも連れていかれた先は居酒屋だった。
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