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Reversi-Love#47~Yes/No~

Reversi-Love_047.jpg  
 
涼介は眼鏡をはずし、テーブルの上に置いた。


「ということは、俺が何を聞きたいか察しがついているな?」

涼介は努めて冷静を装っているが、それでも言葉の端々で声が震える。

「高瀬。お前が知っていることをすべて話せ。」

「・・・」

「高瀬っ」

「お話できません。」

涼介の握った拳が細かく震える。

「兄貴に口止めされているのか?」

「それもお答えできません。」

涼介はぎゅっと目をつぶり下を向く。

黒羽はそれをだまって見守る。

「高瀬。最後に1つだけ、Yes/Noでいい。これだけは答えろ。お前に万が一にと渡しておいた解毒剤。あれを使ったか?」

涼介の額から吹き出した汗がこめかみから頬を伝い、顎先から下に落ちる。

---頼む。Noと。Noと言ってくれ。

「・・・Yes」

---兄貴っ。

「じいさんの双子の兄と同じなのか?」

「質問は1つのお約束です。お答えできません。」

「高瀬っ」

「ただ…。当時を知る者としては、寅一郎様…虎二郎様のお兄様とは同じ末路をたどって欲しくないと、そう切に願っております。」



涼介は携帯を握りしめたまま天を仰いだ。目を固く閉じ、眉をひそめ、口を固く結んでいる。口を開けば嗚咽が漏れそうな、目を開けば涙が溢れ出てきそうな、そんな苦悶の表情に黒羽は見えた。

涼介はそれでも気丈に振舞おうと姿勢を元に戻し、ゆっくりと話し始める。

「高瀬。答えてくれてありがとう。」


その後少し話すと電話を切った。


ふぅ、とため息をつきながら額に両手をあて、テーブルに肘をつく。

黒羽は涼介の気持ちの整理ができるまで黙って待っている。

涼介の手がフルフルと震えるのを見た黒羽は席を立ち、台所にいくとしばらくしてマグカップを二つ手に持って戻ってきた。

コーヒーが入ったカップを自分の前に置くと、もう片方のカップを涼介の前に置く。

涼介はその甘い匂いのする湯気に顔を上げた。

「ホットミルク?」

「あぁ。ツラい時にはしみるぞ。」

すすめられるまま口に運ぶ。

「本当だ…。しみる…な…」


涼介はゆっくりと口を開き始める。


「透、兄貴を助けてやってくれるか?」

「もちろんだ。」

「ありがとう。お前には俺の知っていることをすべて話す。願わくばすべてを知った後も、兄貴の友人であって欲しい…」

「?」

「俺も最近知ったことなんだが・・・」と前置きして、涼介は淡々と話し始めた。



・佐伯家には特異体質を持つ双子が生まれることがある事。

・「人心を掌握する帝王の血」と呼ばれ、ある手段を用いると相手は抗えなくなる事。

・それは常習性を持ち、精神に異常をきたす場合がある事。

・その血は双子の弟に強く受け継がれ、体内で分解され分泌物となって体表に表れる事。

・涼介の場合は主に唾液に分泌される事。

・双子の兄は分解する能力はないが、血を直接行使する事によって同じ効果が得られる事。

・祐介も同じチカラを行使した為貧血を起こしていると考えられる事。

・先代の双子の弟が、祐介にはその能力はないと公言していた事。

・先代の双子の兄はその力に翻弄され、非業の死を遂げたらしい事。




すべてを話し終え、涼介はうっすらと笑いながら黒羽の方に向いた。

「これが俺たちの秘密だ。どうだ?気持ち悪いだろう?化け物じみているだろう?」

涼介は目を伏せ、黒羽の答えを待たずに話を続ける。

「俺はこのチカラを使って、いろいろひどい事をやった。女を犯した事もあったし、精神を崩壊させた事もあった。軽蔑するだろ?」

またも黒羽の答えを待たずに話を続ける。

「兄貴にはこの能力は無いと聞いていた。実際、使ったなんて話は聞いたことがなかった。兄貴には俺と同じ後悔をして欲しくないんだ。しかし兄貴は血を失い始めている。透っ。頼むっ。兄貴を止めてくれ。兄貴をっっっ痛っ。」


涼介の額に、黒羽のデコピンが炸裂した。

涼介は驚いて額を抑えながら黒羽を見る。

「落ち着け、涼介。お前らしくもない。」

「透…。」

「ったく、お前ら兄弟は揃いも揃って、俺をナメてんのか?」

涼介はわけがわからないと言った表情で黒羽を見つめる。

「あー、まず、最初の『気持ち悪い』だが、別に?個性だろ?」

黒羽は続ける。

「次に、『化け物じみてる』だが、自分と異なるからと言ってそれを化け物と呼ぶのは、ナンセンスだ。桃太郎に出てきた鬼と一緒だ。」

「も、桃太郎?」

急に桃太郎と言われて涼介は面食らう。

「島に流れ着いた赤ら顔で金髪のデカイ外人を見て、鬼だと言って悪者にしたっていう説がある。それと一緒だ。ありえない。」

涼介はただただ驚き、黒羽を見ている。

「次に『軽蔑するか』だが、そうだな。これはするかもな。その時知っていたら、お前を殴っていたかもな。」

黒羽がニヤッと笑う。

「お前を止めたいからな。」

「透・・・」

「お前らはまったく俺を信用していない。そんなんでキライになるかよ。ばーか。」

「透・・・。」

「で、もう一人のバカだが、確かめたい事があると言って出ていった。なにか心当たりはあるか?」




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THEME:オリジナル小説 | GENRE:小説・文学 |

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